山王まつり2013
期間:2013-06-07 11:00 〜 2013-06-17
場所:赤坂山王日枝神社
日本三大祭りの一つ(他二つは、京都の祇園まつりと大阪の天満まつり)に数えられる赤坂日枝神社の“山王まつり”。
その盛大なるお祭りである“神幸祭”…御神輿と山車が王朝装束の氏子衆に供奉されながら氏子区域(赤坂〜日本橋〜京橋〜銀座〜新橋〜)を巡幸する…は、偶数年にしか行われないのだけど、
“神幸祭”が執り行われない年のお祭りでも、
末社八坂神社例祭である「祇園祭」に始まり、「境内茶園並狭山新茶奉納奉告祭」「夏越稚児まつり」「献灯祭」「山王御祓並鎮火祭」「例祭奉幣」「煎茶礼道日泉流献茶式」「山王嘉祥祭」「裏千家家元献茶式」さらに、剣道大会や神楽・山王太鼓・神楽囃子・茶席・山王音頭と民踊大会…と、9日間盛り沢山。(6月7〜10日+13〜17日)
13日の夜8時半頃に訪れてみた。
稲荷参道を登ったすぐの場所、氏子神輿庫前の広場が“山王音頭と民踊大会”の会場。外堀通りに、東京音頭が鳴り響く…
【稲荷参道】
一番好きな参道で、いつもここから登るのだけど…立ち並ぶ鳥居が、提灯のあかりにぼんやり照らされ、さらにしとしと降る雨に洗われて、いつにも増して幻想的でノスタルジックな雰囲気になってる。
吸い込まれるように鳥居をくぐりながら登ると…
【山王音頭と民踊大会】
…そこには、踊りの輪が…雨などものともせず、老若男女皆結構本気で踊ってる。
このこじんまりとした感じが、昔お話で読んだ“村祭り”を思い起こさせて、きゅんとくる…
時間があれば、飛び入り参加したいところ。
【山車庫】
ちょっと奥へ進むと…境内はひっそりしてる。末社の並びにある山車庫の扉が開いていて、中に見えるのは…“山王の山車(随神の像)御幣を持った美少年の人形”と“諌鼓鶏の山車”。横に立て掛けてあった案内板によると、
《山王の山車(随神の像)御幣を持った美少年の人形》
五百余年前太田道灌公江戸城開府を偲び、小型ながらも江戸職人工芸の伝統を生かし、木工彫刻・漆塗り・錺金具など唐破風造りの屋根・緊迫押しの枡組・八方に獅子の彫刻を配し、上下する随神の像は旧の型を模し、金幣を捧げる美少年は小直衣に笏を持ち、有楽町新橋などのガードでは油圧装置で昇降します。
山車の寸法 幅約二来 高さ最高四、五米 長さ三、五米 奉製者 大槻装東店 大槻真一郎
《諌鼓鶏》
「諌鼓鶏」と言うのは諌鼓(太鼓)の上に鶏が乗った山車で山王祭「天下祭り」から誕生した独特の山車である。
由来:元和元年(1615)4月29日に始まった「大阪夏の陣」は5月5日に徳川勢が豊臣勢の立て籠る大阪城に総攻撃を加え 三日後の5月8日朝 秀頼と淀君は炎上する天守閣で自害し、豊臣氏は滅び徳川氏の天下となる。江戸城に勇躍して凱旋した二代目将軍秀忠は、翌6月15日の山王祭を前に「太平の世を祝って諌鼓鶏の山車を末代に到るまで一番で渡せ」と上意を下し、それまでの「御幣猿」に代わって「諌鼓鶏」を先駆けとした。元和元年6月15日、山王御祭禮、「山車練物始めて御城内に入る」と武江年表は伝えるが将軍秀忠は江戸御多門からその行列も上覧したしたのである。
*諌鼓=昔中国で君主に対し諌言しようとする人民に打たせるため官庁に設けられた太鼓のことである。
*鶏鳴によって君主に善政を促し、人々を警醒する想像上の鶏である。
【御幣をかつぐ猿(山車人形)】
山王さんといえば、お猿さん。(祭神である比叡山の大山咋神のお使いが猿だからだそぉな)神門の中の“猿”が歩いてきたのかと思うよぉな姿…解説板によると、
「江戸末期の作と考えられるこの山車人形は四谷伝馬町に伝わったもので、日枝神社氏子区域のうち永田町・隼町
【嘉祥の儀・和菓子のまつり】
チラシの解説書によると…嘉祥の日(六月十六日)とは平安の昔、仁明天皇嘉祥元年(848)神託により、6月16日に、十六の菓子を供え「疫病退散」と祈願、年号を改められた。後に八種、十六種とされた。仙洞御所日記(元禄3年6月)に「十六日、御嘉祥、かねて侍臣に御祝儀として嘉祥米(或代銭)を賜はり。この米をもって、菓子に易え、これを持して院参すれば、仙洞には御会間に出御、侍臣はその菓子を御前にて食して、下臈より順次退出する儀」
江戸に於て徳川家康公、元亀元年のこの日の三方ヶ原の故事を忘れぬため城内にずらりと菓子を並べ、参賀の大名、旗本に一包みづつ賜った。饅頭「きんとん」などで「片袖は重き嘉祥の御退出」とて、屋敷では内ち揃い、床の間からこの饅頭をおし戴き一口づつ食した。(武家年中行事)
嘉祥通宝の中略「かつう」とし、勝つに通ずとして、武家社会を通じて嘉通の祝儀とはやされた。
「嘉祥喰い」は、かくて江戸時代から明治期に盛んであった。
去る昭和五十三年太田道灌公による江戸城内奉斎五百年の奉祝祭を期に日枝神社 六月十五日の例祭の翌十六日に後朝の祭として、全国和菓子協会の「厄除祝福」の祈りとともに「嘉祥の儀・和菓子のまつり」が始められ今日に及んでいる。
【茅の輪】
14日の“ 山王御祓並鎮火祭”では、「茅の輪」をくぐり、罪穢・災厄を祓い、延命長寿と無病息災をお祈り。すでに茅の輪が設置されていた13日の夜に、くぐらせていただいてしまった………
“茅の輪くぐり”の作法…右回り・左回り・右回り・お参り…茅の輪をくぐる前には毎回一礼。回る方向と同じ方の足で“またぐ”ものらしい。
13日の夜…境内はひっそりとしていて、提灯の灯りがチラチラする稲荷参道は、とても幻想的。
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